dining bar PLADA

福岡県三井郡大刀洗町で生まれ育った岩松さんは、鳥栖市で働きながら現在も大刀洗町で生活している。若い頃は「人が苦手だった。人に興味がなかった。」と話す。剣道が好きでやっていたが、中学時代は学校にもあまり行かなかったという。卒業後は、土木関係やスナックなどで勤務。鳥栖市内のスナックで働いたことがきっかけで、接客業の面白さにのめり込んでいく。
「人間観察が趣味なんです」と語ってくれた。お店をやっていると、いろんな人が来るので、「この人はこんな性格なんだ」と、だいたいわかってくるという。というのも、岩松さんは31歳と若いが、接客業歴は13年と大ベテラン。話すことが大好きで、休みの日も「だれかと話したい」と お店に出てくることもあるという。「昔を知ってる人はびっくりします。丸くなったねってよく言われます。」と笑って話す。

その後、スナックのママを任され営業をしていたが、「まわりを気にせず、安くて長く飲める場所が欲しい。」と起業を決意。「いろんな人が集まって、時間を気にせず飲んで、楽しめる場所が鳥栖にはなかったので、ないものを作りたかった」と話す。起業の地を鳥栖に選んだのは「ずっと鳥栖で働いていて慣れた土地だし、人が温かいから」だという。

お店は、もともとはフィリピンパブだったものを自分たちで改装。電気関係等の難しいところは専門の人にお願いをしたが、絨毯の張替や、天井の塗装などやれるところは自分たちの手で行った。費用は抑えられたが、時間がかかり、もともと4月オープンだったが、9月まで延期になったと いう。毎晩徹夜で作業にあたる日もあり、「この時期が一番大変だった」と話す。しかし、友人やお客さんなどが手伝ってくれたり、業者を紹介してくれたりするなど、助けてもらうことが多く、改めて鳥栖の人の温かさを感じたという。「手間はかかったけど、やっぱり愛着があります。自分たちの手で作ったお店なので。」とオーナーは語る。

お店のコンセプトは「時間を気にせずみんなが楽しめる場所」の提供だ。店内にはダーツを備えてあったり、ゲーム機を置いていたり、プロジェクターでスポーツ観戦できたりするなど、お客さんがそれぞれ楽しめるようにしている。営業時間が20:00～翌5時までと長いので、「いろいろあったほうが飽きずに飲めるでしょ？」とオーナーは笑う。お客さんの要望があればそれに答えるようにしており、去年はお客さんから「おでん食べたい」と言われたので、おでん鍋を買ったそうだ。（おでんは冬限定らしいのでぜひ足を運んでほしい！）
お客さんだけでなく「ライブをやりたい！」という人には会場を貸したりするなど、「この会場を使っていろんなことをしてほしい」と話す。それがオーナー自身の楽しみでもあるし、皆に楽しんで盛り上がってもらえるきっかけになるからだ。会場が広いため、結婚式の2次会としても使ってもらいたいと話す。
「私の体は人の”うれしい”でできています」と話す言葉の通り、このお店は様々なお客さんに喜んでもらえるようなものであふれる空間になっている。

オーナーに今後の展望を伺うと、「事業拡大もしたいし、ネイルサロンをしたいんですよね」と話してくれた。突然の異業種に驚いたが、なんと彼女はお店を経営しながら今年の3月まで美容学校に通っていたそうだ。「人を綺麗にすることがすごく好きなんです」と話す。やりたいことはとことんやるタイプで、そのためには努力を惜しまない頑張り屋だ。
現在経営しているお店はもちろん、オーナーの夢であるネイルサロンでも、人を喜ばせるためにこれからも邁進していくに違いない。