カフェ・ド・ブルー

鳥栖市宿町にある「カフェ・ド・ブルー」。この店舗の歴史は、今から約45年前の昭和54年にさかのぼる。創業者は現オーナーの従兄にあたる人で、その後、昭和56年3月に現在のオーナーが店舗を引き継いだ。当時は「喫茶ぶるー」という名前で営業しており、昭和58年には今や看板メニューとなったフルーツパフェの提供を開始。深夜2時まで営業していた時代もあり、連日多くの客で賑わいを見せていたという。

「今では22時閉店になりましたが、それも時代の流れですよね」と語るオーナー。平成12年には店名を「カフェ・ド・ブルー」に変更し、平成16年には大規模なリニューアルも敢行。内装の一部は自ら手がけるなど、その器用さと情熱で店を支えてきた。駐車場も当初は7台しかなかったが、今では37台を完備するまでに拡張。お客様の期待に応えるため、常に変化と進化を重ねてきた老舗喫茶店だ。
今回は、特別な日を過ごす場所として選ばれる理由と創業から受け継ぐ想いを西川社長に伺いました。

カフェ・ド・ブルーの名物といえば、なんといっても8名用の巨大パフェ「フレンズ」。提供に20分以上かかる手間のかかる逸品で、価格は当初の5,500円から現在は10,780円（税込）へと改定された。「原材料や人件費の高騰が理由ですが、それでもお客様にはご満足いただけていると思います」とオーナー。
また、テレビ番組「週間がばいテレビ」など、各種メディアでも取り上げられることが多く、有名人の来店エピソードも豊富。中でも印象に残っているのが元横綱・貴乃花の来店で、通常は３名でシェアする「ビッグバーガー」を一人で召し上がったとのこと。「オーラがすごかったですよ」と当時を振り返る。メニューはご夫婦で考案しており、常に「楽しみながら美味しいものを提供する」姿勢を忘れないという。

長年にわたり地域の人々に愛され続けてきたカフェ・ド・ブルー。その根底にあるのは、「美味しさ」と「美しさ」へのこだわりだ。季節ごとのフルーツを活かした限定メニューも多く、直近では「桃パフェ」が人気を集めた。今後はシャインマスカットやカボチャのパフェなど、秋の味覚も続々と登場予定だ。
「一時は競合店にお客様が流れたこともありました。でもまた戻ってきてもらえて…味の本質をわかっていただけたんだなと嬉しかったですね」。お客様の「美味しかった」の一言が何よりの原動力だと語るオーナー夫妻。創業以来ずっと貫いてきた「味と想い」が、確かな支持につながっていることが伝わってくる。

長年店舗を切り盛りする中で、最も苦労しているのは「人材の確保」だという。以前と比べて若い世代の我慢強さが足りなくなったと感じる場面もあるそうで、現在はご夫婦とご家族で協力しながらお店を運営中だ。「もう74歳になりますからね。行動力が落ちてきたと実感します。でも体に鞭打って頑張っていますよ（笑）」と、笑顔で話す姿が印象的だった。
そんな苦労もある中で、「この仕事を続けて良かった」と感じるのは、生活を支えられてきたこと、そして何より家族と仲良く働いてこられたこと。令和2年にはパン製造・販売事業にも挑戦し、イベントでは大人気に。しかし喫茶業務の負担が大きくなったため、現在は休眠中だという。「いつかまた余裕ができたら再開したいですね」と、新たな展望もにじませる。

カフェ・ド・ブルーでは、地元鳥栖の人々との繋がりも大切にしている。当記事「トスログ」を見て来店したお客様には、オーダー前に伝えればワンドリンクサービスという嬉しい特典も。また、5,400名を超えるメール会員には、3名まで10％OFFになる優待も実施している。
「これからは少しずつ体を休めながらやっていきたいですね。10月からは月に一度、2連休を取るようにしています」と、今後のライフスタイルにも変化を取り入れていく予定だ。

約45年という長い歴史の中で、変わることのない「味」と「想い」。カフェ・ド・ブルーは、これからも鳥栖の街で、訪れる人々の心とお腹を満たし続けていくだろう。これからも地域に根差しながら、進化を続ける「カフェ・ド・ブルー」。人生の記念日や、ご家族との大切な時間に、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。