光林飯店

佐賀県鳥栖市に店を構える「有限会社　光林飯店」は、1970年（昭和45年）の創業以来、地元に根ざした中華料理店として半世紀以上の歴史を誇ります。100名が入る大広間を備え、家族連れや地域の集まりなど幅広い世代に親しまれてきました。
現在もなお、創業当時の味と想いを守りながら、時代に合わせた工夫と誠実な姿勢でお客様を迎え続けています。店内に入ると、どこか懐かしい香りと活気ある厨房の音が響き、訪れる人の心を自然と温かく包み込んでくれます。

光林飯店の林社長は、鳥栖で生まれ育った生粋の地元人。ものづくりが好きだったこと、そして何より「お客様に美味しい料理を届けたい」という想いから、親の代で営まれていたお店を引き継ぎました。
「親が大切にしてきた“感謝の心”を忘れずに、お客様にも従業員にも感謝を伝えていきたい」と語る社長の姿には、飲食業を超えた“人と人との繋がり”への信念が感じられます。
創業から半世紀を超える年月の中で、景気の波や食の流行は幾度も変わりました。それでも光林飯店が変わらず愛されてきた理由は、「変えない勇気」を持ち続けたから。華やかさよりも誠実な味、派手な宣伝よりもお客様の「また来たい」という声を何よりの支えにしてきました。

光林飯店のメニューには、創業当時から続く看板料理「光林スタミナ定食」をはじめ、チャンポン、焼きめし、焼きビーフンなど、地元で愛される定番が並びます。さらに、中華風刺身や肉詰ピーマン炒め、エビチリ、マーボー豆腐、酢豚など、家庭では味わえない本格的な一皿も多くのファンを惹きつけています。
自家栽培の米を100％使用し、牛肉は九州産黒毛和牛、エビはブラックタイガー、酢豚には豚ロース肉を使うなど、すべての素材に妥協がありません。また、コレステロールを抑えるキャノーラ油や純正ラードを用いた調理法は、味だけでなく健康面への配慮も感じられます。
近年では、手に優しい洗剤を使用し、ごみ焼却熱を利用して発電した電力を契約するなど、環境負荷を減らす“持続可能な店づくり”にも取り組んでいます。「お客様に安心して食べていただけるよう、料理だけでなく環境への配慮も大切にしています」と語る姿勢には、未来を見据えた経営者としての責任感がにじみます。

長い歴史の中で、光林飯店にも数々の試練がありました。中でも大きな影響を受けたのが、新型コロナウイルスの流行です。
「団体での宴会や集まりが減り、売上も大きく落ち込みました。加えて人材不足や物価高騰といった問題も重なり、飲食業にとって非常に厳しい時期でした」と林社長は振り返ります。
常連客からの「またあの味が食べたい」「家族で食べに行ける日を楽しみにしている」という言葉が、何よりの励みになったそうです。
「お客様の“おいしかった”の一言で報われる。笑顔で帰っていくお客様を見ると、やっぱりこの仕事を続けてきて良かったと心から思います」と語るその表情には、料理人としての誇りが宿っています。

光林飯店がこれからも大切にしていきたいのは、「昔ながらの味を変えない」という信念です。創業時からの調味、火加減、盛り付けに至るまで、細部に息づく伝統が“懐かしさ”と“安心”を生み出しています。
「これからも初心を忘れず、開業時の味と想いをそのままお客様に届けたい」と林社長は語ります。地元の人々の思い出とともに歩んできた味は、まさに“鳥栖の風景の一部”といえるでしょう。
最後に、お客様へのメッセージを伺うと、林社長はこう締めくくりました。
「自家製のお米をはじめ、素材を大切に使っています。安心して食べていただけるよう、真心込めてお作りしています。ぜひ一度、光林飯店の味を確かめにいらしてください。」
半世紀を超えて、なお輝きを増す鳥栖の老舗。光林飯店の“取り組み”は、これからも地域に温かい笑顔とおいしさを届け続けることでしょう。