花やしき

鳥栖市にあるステーキレストラン「花やしき」は、1989年に創業。約4,000坪にもおよぶ広大な敷地の中にある庭園と、鉄板で提供される極上の和牛ステーキ、そして店内を包む生演奏の音色が融合した、まさに“五感で味わう”老舗レストランです。創業から36年、現在は2代目社長・西村享介氏がそのバトンを引き継ぎ、父が築き上げた「花やしき」の世界観を守りながら、さらなる進化を遂げています。

「創業者である父が、この鳥栖の地に“非日常を味わえるステーキレストラン”をつくりたいという想いからスタートしました。食を通じて特別な時間を提供するという想いは、今も変わらず受け継いでいます」と語る西村社長。美しく整えられた庭園は、季節ごとに表情を変え、店内の大きな窓から望むその景色が、訪れる人々を癒やしてくれます。毎朝3時間かけて手入れを行い、そのクオリティを維持しているのだとか。

今回は、特別な日を過ごす場所として選ばれる理由と創業から受け継ぐ想いを西村社長に伺いました。

「花やしき」の最大の魅力は、やはりステーキ。そのスタイルにも、創業時からのこだわりが詰まっています。「ステーキは鉄板で熱々の状態で提供し、お客様ご自身で好みの焼き加減に仕上げていただきます。肉の旨みを最大限に味わえるのはもちろん、自分で焼きながら楽しむという“演出”も大切にしてきました」と西村社長。看板メニューは「特撰和牛ロースステーキ」や「特撰和牛ヒレステーキ」。どちらも厳選された九州産和牛を使用しており、リピーターの多さも納得のクオリティです。
また、ランチタイムには、手頃な価格で楽しめる「ランチステーキ」も人気。いずれのメニューにもオードブル・サラダ・スープ・御飯・漬物・デザートがコースになっており、コストパフォーマンスの良さでも高評価を得ています。「良い素材を使いながら、幅広い層に楽しんでもらえる価格帯にも挑戦する」という姿勢が、長年愛される理由の一つでもあります。

老舗ステーキレストランとして培ってきた「肉」へのこだわりは、店内だけにとどまりません。その一例が、お土産品として人気を博している「佐賀牛極厚ビーフジャーキー」です。
「ステーキを食べたお客様から、“この肉をお土産にできないか”という声を多くいただいたのがきっかけでした」と話す西村社長。厚みがありながらも柔らかく、凝縮した旨みが特徴のこのジャーキーは、クラウドファンディングでも大きな反響を呼び、目標金額を大きく上回る支援を獲得しました。
その味とクオリティは、日経トレンディ誌「2022年 九州・山口ヒット商品予測」に選出されるほどの注目を集め、今や「花やしき」を訪れた多くのお客様から支持される定番商品となっています。「お店の味を家庭でも、贈り物にも使ってほしい」という西村社長の想いが、形になった一品です。購入に関しては事前問合せにて、来店時に購入可能であり、遠方の方はオンラインでも購入できるので、HPをご確認ください。

36年の歴史の中では、BSE（牛海綿状脳症）問題や新型コロナウイルスの影響など、飲食業界を揺るがす大きな試練もありました。そんな困難も、従業員とともに乗り越えてきたと西村社長は振り返ります。
「父が築いた店と味、そしてこの庭園を守りながら、今の時代に合った形へと進化させていく。その責任とプレッシャーはありますが、それ以上に、この場所で多くの笑顔に出会えることが喜びです」。なかでも、三世代で訪れるご家族や、誕生日、結婚記念日といった“人生の節目”に選ばれることが多いのが、何よりの励みなのだそう。
貸切可能なホールでは、20名から100名までの宴会や披露宴も対応可能。今後はバーベキュープランの導入も検討しており、さらに多様なシーンで利用できるレストランを目指しています。

「花やしき」の空間を語るうえで欠かせないのが、音楽の存在です。店内では昼間を中心に、ピアノやアコーディオン、ギターなどの生演奏が流れ、お客様の時間に彩りを添えています。この空間で、庭園を眺めながら佐賀牛ステーキを味わう──そんな非日常の体験が、今もなお多くの人々を惹きつけてやみません。
「私たちが目指しているのは、“ただ食事をする場所”ではなく、“記憶に残る場所”。この庭園とステーキ、そして空間づくりを通じて、鳥栖市の中でも特別な存在であり続けたいと思っています」と語る西村社長。社長の隣には後継者として修業に励む息子の祥吾さんの姿も頼もしい。
これからも地域に根差しながら、進化を続ける「花やしき」。人生の記念日や、ご家族との大切な時間に、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。